オオサンショウウオのTシャツを見るのは生まれて初めてですが、本物を見たことがある。国土交通省(当時建設省)が全国の危険渓流に砂防ダムを作るために、どの渓流がどのくらい誰にとって危険なのかを調べるリサーチを大手ゼネコンに発注し、その仕事は下請けされ、さらにその下請けの末端調査会社のそのまたバイトとして雇われて、兵庫県の危険渓流を歩いたことがある。民宿に泊まりこみ、レンタカーに分乗して、地図に印をつけた渓流をひとつひとつ登って、大きな岩が転がり落ちそうになっていたり、古い砂防ダムが土砂で満杯になっていたら報告書に書き、下流の民家に人が住んでいるとかそういうことを調べて、危険度ランクを付ける仕事でしたが、ある日渓流のよどみにコケむした「岩」に目が止まった。なぜかその「岩」は生々しくて柔らかそうで、近寄って見ると、いきなりものすごいスピードで動いた。大急ぎで逃げていく「岩」には背びれと尻尾と小さい足があって、まぎれもなく天然記念物のオオサンショウオでした。その渓流以降、なんとか一匹密漁するべく、社員のオサダさんとゴーストライターは一生懸命オオサンショウウオを探し求めたのですが、ついに見つけられることはなかった。
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