オクラには強烈な思い出がある。ゴーストライターはバングラデシュのチタゴン州ベタギ村の仏教系アシュラム(そこは孤児院のようなところだった)で毎日カレーを食べていた日々があって、孤児カレーは予算がめちゃくちゃに限られていたので決しておいしくなかったのですが、ある日のカレーはオクラカレーであった。洗面器にゴハンがごそっと入っていて、ターメリック味のお湯のようなカレーが1カップ分くらいかかっていて、オクラの切れ端が数切れのっているようなものであった。その時オクラは旬で安かったのである。オクラ1KGが3円であった。農産物の値段は借地代+農夫の人件費+流通コストである。これでは経済が破たんする以外にない。モノが安いことに憤りを感じたのは先にも後にもこの時だけであった。バングラ物語はまたそのうち。
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