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2008年4月29日火曜日

大塚物語8「風呂屋について」

大塚アパート(仮名)にはフロがなかったので風呂屋に通った。風呂屋は徒歩圏に3軒あって、それぞれ定休日と終了時刻が違ったので、どの風呂屋にも行った。風呂屋にはそれぞれ主張があって、雑誌や新聞を置いてあったりなかったり、洗面器がケロリンだったりケロリンではなかったりしたが、一番大きな違いは「お湯の温度」であった。一概に銭湯のお湯は熱い。慣れるまで入れないくらい熱い。熱くて文句を言う客はいないけれども、ぬるくて文句を言う客はいるのだと思う。雑誌も新聞も置いていなくて、洗面器がケロリンでなくて、お湯が最も熱い風呂屋には必然的に行かなくなった。最も良く行ったのはお湯が熱くなくて雑誌も新聞も置いているところだった。その風呂屋の番台には推定120歳くらいの老婆が座っていて、風呂代を受け取ったり石鹸を売ってくれたりした。ゴーストライターはソウルで銭湯に入っていて洗面器で下着を洗っていたら店の人にどやされたことがある。韓国語だったので全然何を言っているか分からなかったが、どやされていることも、銭湯で下着を洗ってはいけないことも理解できたし、申し訳ない気持ちになって店員さんにその気持ちを伝えようと思ったが韓国語が喋れなかった。しょうがなくて反省した感じの目をして店員さんを見つめたけれども、裸だと韓国人も日本人も見た目が一緒で「ごめんなさい、私は旅行中の貧乏な外国人でどうしてもここで下着を洗いたかったのです」という想いが伝わることはなかった。大塚の風呂屋には中国語の新聞が置いてあって、見た目が一緒のおっちゃん達の何割かは中国から来た人達なのであった。



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