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2008年4月20日日曜日

大塚物語2 「住民について」


大塚アパート(仮名)には、管理人室以外に部屋が10部屋あり、住民は各部屋に一人ずつ住んでいた。彼等は全員、工事現場の警備員であった。正確に言うと、大塚アパート(仮名)は、とある警備会社の寮であり、彼等はそこで働く警備員なのであった。工事現場の警備員の朝は非常に早い。工事は始まる時間には既にLED警備棒を振っていなければならない。朝早い工事現場の人たちよりもっと早く出勤していなくてはいけない。そんなに早いと電車がない。電車がないので都心である大塚に住み、4時とか5時に自転車で出動していくのであった。彼等は(まあ当然)全員男で、決して裕福ではなく、独身または出稼ぎで東京に来ているひとなのであった。普段はあっさりした良いひとで酒が入るとギラギラに豹変する南国出身のおじさんも、メガネをかけたなぜか公務員ふうのひとも、絶対に言葉をしゃべらない小柄色黒激やせの青年も、なにがあっても笑顔を忘れない聖人君主のような人もいた。でもぶっちぎりでキャラが立っていたのは料理好きな赤ら顔のおじさんであった。赤ら顔のおじさんは陽気で愛想が良く、酒癖が悪くてアメリカと戦争をしたアラブの国の大統領に似ていた。おじさんは酔うとTシャツとブリーフというスタイルでキッチンでビールを飲むので細心の注意が必要であった。さらに続く。写真はヒメマルカツオブシムシ(小さい)。



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