大塚アパート(仮名)の共同台所の週1回の掃除はゴーストライターの仕事であった。台所の掃除をしていると、不思議なことにキャベツの芯や魚のアラといった生ゴミがテーブルや食器棚の上に置いてあることがよくあった。住人の誰かがヒトの見ていない時にそっと置いているのかとも思ったけどもちろんそんなことはなくて、子猫くらいの大きさの家ネズミが、シマリスのように両手で生ゴミを抱えて運んでいるのであった。文章にすると愛らしいがでっかい家ネズミが台所にいるのはそれなりにイマワシイ光景で、掃除が終わって布巾を片づけた瞬間に棚のうえにサンマの頭なんかが置いてあるのを見ると全身の力が抜けるのであった。写真はベランダの鉢植え。
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