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2008年5月9日金曜日

大塚物語最終回「ブラジル移民のおじさんについて」


大塚アパート(仮名)には、「大塚アパートの良心」ともいうべき、心優しいひとが住んでいて、彼はブラジル人であった。日系ブラジル人移民2世である。2世なので日本語の会話は完璧だが、読み書きはポルトガル語のほうが得意だった。いつどこで会っても上機嫌で、彼のニコニコしていない顔を誰も見たことがなかった。誰にでも平等に優しく、質素で栄養のある料理を少なめに自炊し、早く寝て早く起き、ときどきみんなの嫌がる夜勤のシフトで仕事をした。ポルトガル語やほかのラテン系の言葉では、-Aで終わる名前は女性、-Oで終わる名前は男性である。マリアは女性で、マリオは男である。彼とは別のブラジル日系人に聞いた話では、彼のおじいさんが移民して役所で自分の名前を登録する時に、「カズヤ」という名前がどうしても許してもらえず「カズヨ」と登録されたらしい。日本人が聞くと-一生「カズヨ」として生きていくのは-大変なことであるが、ブラジルにはブラジルの事情があったに違いない。それはともかく、「大塚アパートの良心」おじさんは常にまったくストレスのない晴れ晴れとした顔をしていて、太陽のような存在なのであった。おわり。写真は高原ロッジ近くに住むおじいさんとそのネコとゴーストライター。ネコの形がよい。



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