ゴーストライターの職場は旅行代理店なので、お客さんに電話をかけることが多い。電話をかけることが多いと、たまに間違った番号にかけてしまうことがある。間違った携帯電話にかけてしまったときは、電話に出たヒトの声で間違いだと分かることが多い。とくに女性にかけているのに男の声(またはその逆)が電話に出たら、「XXさんですか?」と聞くまでもなく「..あっ間違えた」と分かるのですが、こっちの番号(=会社の番号)もそのヒトの着歴に残っていることだし、一応「XXさんですか?」と訊いて「いいえ違います」「失礼しました」という会話をしてから切る。しかし外国人のお客さんも少なからずいて、そうすると若い女性が(別に若くなくてもいいのですが)「はい、XXです」「ゴンザレスさんですか?」というシチュエーションが発生する。若い女性に(別に若くなくてもいいのだけれど)「ゴンザレスさんですか」と訊くのは勇気がいるし、おっさんが電話に出て「..マリアさんですか?」と訊くのはもっと勇気がいる。そういうときに相手が「それはムリやろ」みたいに、いい感じにツッコミをいれてくれることは(この東京砂漠では)まず期待できない。しかしぼくらは「タケノウチさんですか(偶然そのヒトの名前を呼んでしまうとまずいので珍しい名前)?」と、とっさに口にすることも出来ず、常に大きなリスクにさらされている。
2008年8月6日水曜日
ゴンザレス
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