母島の一番高い乳房山に登った。1時間くらいかけて登る山で亜熱帯の植生の中を歩いていくようなちょっとほかで体験できない山であった。母島は南北に細長くて、西岸には人が住む集落や道のある入り江があって、東岸には集落がなくて道のないビーチがいくつもある。東岸を見るにはボートに乗って海から見るか、乳房山に登って頂上から見下ろすしか方法がない。乳房山の頂上には東岸を見下ろすための、崖に突き出したデッキがあって、デッキの先端まで歩いていくと眼下の風景はすさまじく、太平洋から吹き上げる風は信じられないくらい心地よかった。風景と海風を満喫して振り返ると、西岸の海が見えた。このデッキを作った人はえらい。こんなに気持のよい場所は世界中ほかにちょっとない。ピピ島の波打ち際のビーチバーの足もとが砂で頭上にはヤシの木と星空がひろがり、流木のテーブルにはピニャコラーダがあってああこれは世界でいちばん心地よい場所だと思ったことがありましたが、それと同じくらい気持ちよかった。
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